アイスカフェオレのお話

〜じめじめした季節に、心をほどく一杯を〜

最近、なんだか気分が晴れない日が続いています。
生ぬるい風、曇りがちの空。傘を持つほどでもないけれど、空気はずっと湿っている。
この季節が、正直一番苦手かもしれません。

気分がモヤモヤしていると、自然と「何か気持ちを変えられるものが欲しい」と思ってしまいます。

そんな時、私にとっての頼れる相棒は、やっぱり“美味しいドリンク”なんです。

今回は、その中でも特にこだわって試作を重ねた アイスカフェオレ のお話を少し。

●ミルクの力を引き出すには?

アイスカフェオレを作るうえで、まず試したのはベースとなるミルクの扱い方。
ミルクを注ぐだけでも美味しいのですが、「もうひと工夫で何か変わるはず」と思い、いろいろと実験をしてみました。

たどり着いたのは、スキーマーでほんの少し空気を含ませる方法
口当たりが“ふわっ”と感じられるくらいに。これだけで、ミルクの甘みやコクがグンと引き立つんです。
ひと口飲んだ時の「まろやかさ」が、なんとも言えず心地いい。

●ミルクに負けない、個性的な豆を探して

そして、もう一つの主役である“珈琲豆”。
これが本当に悩みどころでした。
ミルクと混ざると、どうしても個性が薄れてしまう豆も多く、「あれ、なんか普通だな……」と感じることもしばしば。

何種類も試して、やっと見つけたのが「ママミナ」という豆。

この豆、最初の一口から「おっ」と感じる力強さがあるのに、後味がとてもクリアでスッキリ。
ミルクと混ぜてもコクが消えず、むしろ引き立て合って、まさに理想のバランス。
ホットでももちろん美味しいのですが、アイスにするとキリッとした苦味とクリーミーさが絶妙に重なって、ちょっと感動すら覚える味わいになります。

●心のもやを、やさしくほどく一杯を

じめじめしたこの季節。
気持ちまで曇ってしまいそうな日には、冷たくて、やさしくて、でもしっかりした味のカフェオレが、ちょっとした救いになります。

どんなに忙しい日でも、一杯のコーヒーが心に余白をくれることがあります。


ぜひ、珈琲屋が本気で作るアイスカフェオレを一度お試しください。

少しだけ気分が変わるかもしれませんよ。